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これまで我が家にいたネコは、すべて天からの授かりものでした。ペット屋さんにいるような純正品は一度もいませんでした。なんとなく現れ、なんとなく消え、いつのまにか居ついたものばかり。当家は、来る者は拒まず去る者は追わず主義です。 冬の冷たい雨に濡れてションボリとベランダにうずくまっていたもの、黒豹然と精悍な目つきのもの、鼻水と涙が一杯で息をするのも大儀そうなもの、昨日まで大事に飼われていたようなひとなっこいもの、餌をもらって食べているくせに人が近づくと猛然と敵意をあらわにするもの、ドロまみれで言い表しにくいほど汚かったもの、和洋折衷の毛並みの老嬢さん、などさまざまでした。適当に、牛乳、生魚、煮魚の切れ端などを上げているうちに、何匹もやってくるようになると、それぞれに名前をつけました。黒と茶の毛が入り混じって汚い感じなので「バッチー」、やせ細ってみすぼらしくガツガツと食べるので「ナンミンねこ」、首輪に鈴を付けられたまま捨てられてきた「スズエさん」、生まれて間もない黒猫は「ヤマトちゃん」、白黒灰混合毛並みの「コンブ」、前のアパートの階段に置いていかれ、飼い主さんを待ち続けていた「みなしごハッチー」などです。 人間社会同様、ネコも数匹が来だしますと自然に序列とナワバリができます。2、3匹くらいでも餌を一つの皿に盛り付けるのは禁物です。最初は、頭をそろえて黙々と食べていたのが、数日もたたないうちに、1匹が食べている最中に別の1匹が顔を寄せようものなら、たちまちネコパンチを食わせたり、そばで見ているだけなのに唸り声を上げ、挙句の果ては、エサを放りだして取っ組み合いをする。そのうち、いつの間にか負けネコが消えてしまい、1匹になると急に家族の一員のような顔をして、こびこびしながら無断で居ついてしまう、というのが常道でした。写真のネコもそうでした。
by dankkochiku
| 2005-09-02 22:36
| ワンニャン物語
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