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JR池袋駅は、戦前からの西武線、東武線のターミナル駅に加えて、戦後、丸の内、有楽町、副都心線の三つの地下鉄路線が開通し、今では、東京、埼玉、千葉、神奈川へ乗り換えずに行ける便利さから、1日乗降客数は、新宿駅に次ぐ全国第2位と、終日人通りが絶えない。
特に駅西・北口一帯は、戦災の焼け跡に乱立した闇市時代の空気を引きずり、昭和40年代になっても怪しげな店が連なり、昼夜を問わず、性を売り物にするボッタクリの店先にはしつこい客引きがうろつく物騒な町だった。現在、文化の殿堂といわれる東京芸術劇場ができたのが、戦後45年後の平成2年だったから、駅西口広場の戦後復興開発がいかに難事業だったかが分かろうというものだ。 町の人気に惹かれて急激に大勢の人が集まる繁華街では、時として無差別殺傷事件など衝撃的な事件の場になる。平成11年9月には、昼前の池袋東口のサンシャイン通りで23歳の男が包丁と金槌を振るって通行人8人への無差別殺傷事件が起きたし、今年の6月24日には、池袋駅西口通りで、危険ドラッグを使い、朦朧状態の36歳の男の運転する車が歩道に突っ込んで歩行者を次々にはね、男女8人の死傷者を出し、電話ボックスに衝突して止まる事件が発生した(上の写真、事件現場の黄色ノシートで覆われた電話ボックス)。 しかし、こんな池袋にも史跡がある。人通りの多い駅西口前から7分ほど西北へ歩くと、立教大学のキャンパス地域になり、その先は、ここが同じ西池袋地区かと思うほどの閑静な一般住宅地になる。 立教大学正門前の6号館の角に江戸川乱歩(1894-1965)の旧邸案内の標識があり、乱歩自筆で「うつし世はゆめよる夢こそまこと」と好んで口にした句が彫られている(上の写真)。いまどきの小学生は、江戸川乱歩と言っても何のことか分からないだろうが、私の小学生当時、彼の「怪人二十面相」「少年探偵団」「妖怪博士」などの探偵小説は、小学生間で大もて、今で言うベストセラーで、教室で友達とこっそり交換し合って読んだものだった。 現在、大学の「大衆文化研究センター」になっている旧江戸川乱歩邸は、乱歩が26番目に転居してきた昭和9年、家賃90円の土蔵付き貸家で、居間と二階建ての「幻影館」と呼ばれる土蔵は、大学の所有物。土蔵の中には、乱歩の膨大な蔵書、資料が丁度、古本屋の店先のように収められている。「怪人二十面相」はこの邸宅に住んでいた当時に書かれたもので、乱歩は、この土蔵の中でミステリー小説を書いていたと、まことしやかに聞いたことがあるが、そんな噂話が流布するほど子どもの愛読者には謎めいた作家だった。
by dankkochiku
| 2014-12-13 21:55
| ぶらり、まち歩き
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Comments(2)
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cocomerita at 2014-12-17 02:18
Ciao dankkochiku さん
えーー江戸川乱歩の家ですか? 見たいーー 江戸川乱歩って小さい頃から妙に興味がありました 人間の深層心理っていうか、心の闇の部分を巧みに小説にまとめる 人間椅子って言う作品 知ってますか? あの世界、っていうか、、なんか、すごく感心したんですよね いまだに記憶に鮮やかです
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dankkochiku at 2014-12-17 15:51
Ciao cocomerita さん 私の読んだ乱歩は、小学生3~4年位からのものばかりで、単行本以外では雑誌、少年倶楽部に載ったものだけです。余りに読みすぎたのか、大人になった頃には、むしろ馬鹿馬鹿しくなって敬遠し、テレビでくらいしか知りません。 少年時代の遠き夢です。それだけに旧乱歩邸は好奇心いっぱいでした。
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