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原発の新たな規制基準が7月8日に施行され、電力会社4社が、5原発10基について、原子力規制委員会に安全審査を申請した。 安倍首相は、「安くて安定的なエネルギーを供給していく責任がある。 規制委員会が安全と判断したものは再稼働していきたい」 と語った。
これより先、今年2月に原子力規制委員会が公表した 「新安全基準骨子案の概要」 の中で、シビアアクシデント(重大事故)対策としてテロ対策の基本方針が示され、「意図的な航空機衝突などへの対策」 による炉心損傷が発生した場合に使用できる施設(特定安全施設)の整備を要求している。 2001年9月のアメリカ同時多発テロを想定しての方針だろうが、これまで、自然災害対策中心でテロ対策に触れてこなかった規制委員会としては画期的なことだ。 その上で、3月19日に開かれた規制委員会の定例会合で、田中俊一委員長の私案、「原発の新規制施行に向けた基本方針」 について委員間で議論が行われ、大枠が合意された。 そこで、その中で提案された 「今回の新たな規制導入に当たっての取扱い」 には、 ① 今年7月の新規制の施行段階で、設計基準事故対策及びシビアアクシデント対策(大規模自然災害やテロに起因するものを含む)として必要な機能をすべて備えていることを求める。 ② シビアアクシデント対策やテロ対策の信頼性向上のためのバックアップ対策については、施行後5年までに実現を求める、として、原子力規制委員会は、規制の基準を満たしているかどうかの判断を、事業者が施設の運転を再開するまでに行うこととする」 とある。 この規制委員会の動きに呼応するかのように、テロ対策訓練が5月11日、福島第1原発をテロリストが襲撃するという想定で、警察と海上保安庁が福島第2原発で合同訓練を行われた。 この様子をテレビ放映で見た限りでは、通常の暴漢逮捕の訓練と大差ない気もしたし、無人航空機もある時世にこのような形で原発施設へのテロ攻撃が起こるとは考えにくい。 また、6月12日には、小野寺五典防衛相が警察庁、海上保安庁、自衛隊による合同訓練も検討していると記者団に語っており、現実的なテロ対策がとられなくてはならない。 また、6月19日の原子力規制委員会の定例会合では、新基準案として、大規模災害のほか、現在、世界的に問題になっている 「サイバーテロ対策」 を新たに事業者に義務付け、制御システムが破壊されても、複数のプログラムでシステムを保持することを求め、閣議決定を経て7月8日に施行する方針が示されたとの報道がなされた。 しかし、航空機墜落よるテロ攻撃まで想定するとすれば、現在の原発施設は、すべて上空から丸見えだし、いつ侵入してくるか予想もできないテロへの対応となると、極めて不安だ。 かつての三菱重工本社爆破テロ事件や過激派の手製ロケット発射テロ事件でも未然に防げなかったことを思い起こすと、上空からのテロ攻撃に対しては無防備に等しい。 2011年5月17日付AFP通信は、原発先進国ドイツのNorbert Rötten環境大臣が 「ドイツにある原子力発電所は、航空機の墜落に対して不十分にしか守られていない。 最悪の航空機墜落にも耐え得るように建設されている炉は、連邦共和国にはただの一つもない(Die deutschen Atomkraftwerke sind nur unzureichend gegen Flugzeugabstürze geschützt. Kein einziger Meiler in der Bundesrepublik sei so ausgebaut, dass er schwersten Flugzeugabstürzen standhalten könne)」 との発言を報じた。 原発推進派だったメルケル首相が原発廃棄へ方向転換した動機の一つには、こうした懸念があったからであろう。 しかし、テロにせよ、事故にせよ、原発上空での航空機墜落事故は想定されなくてはならないし、その対策は必要だ。 しかし、これを想定した対策を実施に移すとなると、新基準に盛られた地震、津波対策をはるかに上回るテロ対策予算が必要となり、しかも、規制委員会が 「新安全基準施行後5年までに実現を求める」 とした新基準を履行するためには、原発を再稼働しても、その経済効果が失われ、やがて廃止へと向かうに違いない。 それを十分承知の上で、この冬にも再稼働を求めて、電力4社が一斉に安全審査を規制委員会に申請したのは、現政権の後押しを期待してのことだろう。
by dankkochiku
| 2013-07-13 17:00
| 時評
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Comments(7)
Ciao dankkochikuさん
これもまた、テロ テロ と囃し立て、そっちに国民の注意をそらそうとする思惑見え見えではありませんか で、俺らこんなに注意深く扱っていると言う、単なるパフォーマンス だって、原発の問題は、そこもあるが、そこではなく、すでに廃棄物を収用する場所が世界中で枯渇しているということ、 原発稼働する限り、廃棄物は生産されつづけるということ、 地震国である日本に原発は危険すぎるということ、そして、、 広島の原子爆弾1400個分(記憶が正しければ、)の放射能を含んだ使用済み燃料が詰まった、おまけに破壊された建屋にかろうじてひっかかってるあのプールの存在 > 安くて安定的なエネルギーを供給していく責任がある。 規制委員会が安全と判断したものは再稼働していきたい 責任等と言う言葉を、彼に発してもらいたくないですね で、その規制委員会が、過去に起きたことと同じように、原発ロビーに抱き込まれた場合、そんな委員会の判断などあてになるわけばいじゃあないですかね、、 呆れてものが言えない、、って 言ってるけど 、、ため息
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Ciao junko さん 原子力規制委員会が何と言おうと、政府はそれを無視することができます。ですから、規制委員会が安全基準を拡大することによって、原発稼働反対派は、それを根拠に法的に訴え、反対運動はさらに強化されるでしょう。 原発が安上がりでないことを、損得勘定重視の大企業が気づけば、一歩前進では?
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中国は原発計画の75%増強し、2020年までに7千万キロワットにすると発表してます。(日本は5000万キロワット)
それらのある配置を見れば分かりますが、みな海側(東シナ海)に面しての建造であります。。 お隣の韓国にしてもそう、2010年から2021年の間に、新たに12基の原子炉を増設すると発表されており、無論のこと、それらは皆、日本海側に建設される予定となってます。。 私が想いますに、原子力というのは人類が開けたパンドラの箱そのものでありまして、開けた瞬間から、その全てが運命づけられてしまったのであります。。 ![]()
目下、経済発展の著しい中国にしても、韓国にしても、ロシアにしても、インドにしても、みな然りでありまして、自国の電力確保の為、原発の増設を国家目標に掲げているところであります。。
そうした国々に万が一何かが起きれば、彼らの東側に国土が位置する我が国は、地球を回る偏西風に乗り、黙っていても放射能が運ばれて来る運命にあります。これは避けようにも避けられません。。 その意味で、原発の抱える諸問題というのは、今や全世界の保有国が直面する共通の課題であって、もはや日本一国が、どうのこうのと論じて、ことが解決する話ではなくなってます。原発反対の方々のお持ちも分かりますが、そこは目をそむけずに、シッカリと直視して貰いたいものであります。。 ![]()
ちなみに福島以前の原発事故のデーターというのは、dankkochikuさんも良くご承知かと思いますが、残念ながらというべきか、幸いにというべきか、これまで地球上には殆どといって存在してませんでした。福島で日本が学んだ経験、データーというのは、この先の人類にとっての貴重な資料となります。。
日本としては世界中の原発保有国に、福島から学んだ貴重なデーターを惜しみなく発信し、保有国における新たな事故防止に活かして貰う姿勢こそが大切であります。。 と考えると、・・・・我が国の原発の平和利用においても、結果的に問題先送りにはなりますが、引き続き慎重に運用を続けながら、原発の抱える深刻な諸問題を、保有する各国と連携するなどし、解決に導いてゆく姿勢がベストであります。。 ![]()
その上で、被災された福島の人達の心と生活のケアに国家を挙げて取り組むというのが、私たちが、いま取るべき最善の態度であると考えます。。
どんなに口が重宝で、いくら綺麗ごとを並べたとしても、実際の経済成長なくしては、復興の財源すら生まれませんからねぇ。現実問題・・・・(+_+。) そうなってしまうことが福島の方々にとっては最悪の結末そのものでありまして、そうなれば生きる意欲すらも失せてしまう方も出て来るかもしれません。国家として、それだけはさせてはいけません。長々とすみませんでしたが、そのように感じる次第であります。。(v_v)
tomahawk_attack さん 大変長いコメントありがとうございました。
原発可否については、いろいろですが、原発保有各国の面積、人口密度だけに限ってみても 原発大国のフランスの面積は日本の1.7倍、人口密度は日本の343人/㎢に対し113人、日本より少し広い米国モンタナ州は人口密度2.5人、しかし、同様少し広いドイツの人口密度は230人なので、福島原発事故を機に原発廃止を打ち出したのです。 面積の狭い国で原発保有しているスイスでは首都ベルンに近い湖から放射性セシウム物質が10以上前から検出され問題視され、また、韓国の面積は日本の3分の1以下で人口密度は491人の過密人口国ですが、原発は故障続出で大事故発生寸前の状態です。 つまり、日本も大事故発生時に放射能被害からの避難場所も汚染物質の廃棄場所もない島国で小国であることが問題なのです。 優秀な頭脳をもつ日本人のこと、必ず、原発を上回る代替エネルギーを早晩開発してみせますよ。 「福島原発事故で死んだ人は一人もいない」と断言した不見識な幹事長のいる自民党の参院選敗北を望みます。
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