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東日本大震災・津波による福島第一原発事故から間もなく2年。 高度の放射性物質に汚染された地域の復興計画は立たず、危険区域の住民たちの帰還は目途もたたないのに、昨年5月以来停止中の国内原発50基の再稼働を求める動きが活発化している。
確かに、原発は、大気汚染防止、地球温暖化防止に役立つ、少量の燃料で大きなエネルギーが得られる、一度使った燃料を再利用できるなど化石燃料を輸入に頼らざるを得ない国の負担軽減、経済性が高いといった利点が多い反面、利点を上回るほどの危険性として、危険な放射性廃棄物の処理ができず、その最終処分地がないこと、地震が多発する日本列島には、活断層が2千か所もあり、大地震により原発施設が破壊された場合、周辺地域のみでなく広く海洋汚染、大気汚染など地球規模の放射能被害が拡散し、その回復には長年月を要することなどがある。 こうした原発再稼働の可否を巡る論議が沸騰するなか、原子力利用の安全確保について中立公正な立場で審議する原子力規制委員会(環境省外局)が平成24年6月設立された。 委員は、衆参両議院の同意を得て総理大臣が任命した原子炉工学専門家の田中俊一委員長を始め、委員に地震学者、核燃料工学者、放射線医学者、元国連大使の外交官の5人が就任し、委員を補佐する事務局の原子力規制庁職員は、いわゆる 「天下り」 人事を規制して発足した。 マスコミ報道によると、規制委員会のこれまでの活動は、現在、稼働停止中の原発再稼働の可否について、将来の地震、津波による自然災害の危険性の問題に審議が集中し、施設の位置、敷地内の地盤強度問題がしきりに論じられている。 しかし、災害は自然災害だけではない。 人為的災害、例えば、それこそいつ起きるかわからない、突発的なテロやミサイル攻撃などを想定した警備、防衛、防災対策計画については、どの程度、審議が進んでいるのだろうか。 北朝鮮がミサイルを発射した時、急きょ自衛隊を全国に特別配置するなど日本中が大騒ぎしたことを思うと、再度、日本列島上空をミサイルが通ることも十分考慮しなくてはなるまい。 その際、地上の原発施設の安全性の検討はなされているのだろうか。 戦争放棄を宣言したのは、周辺国では、日本だけだと言うことを忘れないで欲しい。 つぎに、気掛かりなことは、原子力規制庁に対し、原発再稼働を求める電力会社や経済界とそれを後押しする政治家からの圧力だ。 原子力規制庁の審議官が敦賀原発の活断層調査について、公表前に原電側へ評価報告書案を渡していたとは、「中立公正な立場で独立して職権を行使する」 ことを目的にうたった 「原子力規制委員設置法(第1条)」 を空文化するものだ。 また、原子力規制委員会の新安全基準検討チームの6人の外部専門家のうち4人が電力会社などから多額の寄付金を受け取っていたとの 「原子力規制を監視する市民の会」 からの告発が事実ならば、市民の期待と信頼を裏切る行為だけではなく、刑事事件として立件される問題へ発展しかねない。 更に、東京電力が、福島第1原発1号機の現地調査を申し入れた国会事故調査委員会に対し、虚偽の説明をして、建屋内の調査が危険であることを強調し、現地調査計画を断念させたという報道に至っては、国会事故調査委員への露骨な業務妨害以外、何物でもない。 この問題について、明後日12日に国会へ参考人として東電社長の招致が予定されている。 平身低頭、陳謝、弁解だけで終わらせてはならない。
by dankkochiku
| 2013-02-10 23:25
| 時評
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Comments(6)
ciao dankkochikuさん
つくづく懲りない人々ですね 欲が理性を上回ってるとしか思えない さて,横槍ですが 原発は,地球温暖化防止には全く役に立ちませんよ 発生した熱の三分の二は海に捨ててるんですから だから,原発の近辺の海では,その熱を利用した養殖がさかんだったのです。 経済性もちっとも高くありません 施設建築,維持費は膨大な額であり、施設の使用年数を考えると全く採算の合わないシステムなんです。 それじゃあ,なんで電力会社がやりたがるかというと、 施設、維持費などの経費を電気代として消費者に負担させることができることを法律で認めていること、事故があった場合の電力会社負担の最高補償限度額が決められてること、つまり、彼らはなにがあっても、ある額以上の補償をする義務がなく、その不足分は政府の、つまり国民で補填することになっているという、信じられないくらい美味しい条件が揃ってるからです。 どこをどう取り繕っても、原子力発電など、百害あって一利なし、さっさとやめる以外の賢策はないのです 日本は今や、地球にとって危険な国、日本人は危険な国民と言えますね、情けないことです 愚かすぎ、、、
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dankkochiku at 2013-02-13 09:30
Ciao junko さん 平行線をたどっている原発の推進派と廃止派の主張のもとには、世界的には、電力を凄く消費し大気汚染が社会問題化した先進工業国の一方で、一般家庭に電気製品も普及していないような発展途上国で原発建設を日本に期待する経済的小国があり、それぞれの利害対立が賛否の根拠みたいです。 私は、福島原発事故以前から、原発反対で、代替エネルギー確保に国が積極的になることを主張してきましたが、かといって、その実現の見通し計画のないまま原発即刻廃止論は無謀過ぎませんか。
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tomahawk_attack at 2013-02-13 17:39
dankkochikuさん、こんにちわ。。
私はすべての原発を廃止するという意見には反対の立場ですが、あれだけの大被害を出し、今尚進行形の福島原発ですから、徹底的な究明や規制は当然であります。。 今回も参考人招致じゃぁ、多分、真相究明は難しいでしょうね。そう思います。それにしても懲りない面々ですよねぇ。。(v_v)
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dankkochiku at 2013-02-14 08:56
tomahawk_attack さん 本文に載せた条件が満たされるならば、敢て反対する理由はありません。
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yamanteg at 2013-02-16 15:47
原発稼働の問題、賛成か反対かという単純なものでは片づけられないのでしょう。
賛成、反対、議論をつくして政治判断するしか道はなさそうです。 その過程も問題になるでしょう。 この問題、大き過ぎて手に負えません。 廃止方向を探りながら部分稼働というのは、現実論としてやむを得ない判断だろうと今は思っています。
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dankkochiku at 2013-02-17 22:00
yamanteg さん 「賛成、反対、議論をつくして政治判断」でも、結局は、政局に左右されそうですね。 時限を決めて、将来廃止を宣言しても、次の内閣が、それをなし崩ししています。
そちらのブログ発行テンポ遅れているようですが、お変わりありませんか。
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